11月下旬、善福寺川沿いを歩いていたA氏が、意外な光景に遭遇した。川辺で水浴びをしていた一羽のカラスのすぐ隣を、カモが何事もなかったかのように静かに漂っていたのだ。人間の目からすれば一触即発にも見える両者だが、現場では争いの気配すらなく、両者はごく自然にそこに存在していたという。
通常、都市部などで見かけるカラスは警戒心が強く、他の鳥類と距離を取る場面も多い。一方のカモは群れで行動することが多いものの、警戒心はそれなりにある。しかし今回確認されたのは、まるで互いの存在を気にも留めないような自然な距離感だった。
「餌場が豊富である場所では、異なる種の鳥たちが一時的に共存することは珍しくない」と話すのは、鳥類行動学者の野鳥真理氏。「カラスとカモは生活圏が重なる部分も多く、お互いに無関心でいられる関係性が築かれている場合もある」という。
「カラスとカモって、こんなに近くても平気なんだ」とA氏は驚きの様子で語っており、人間社会における距離感にも一石を投じるような場面だった。

